西2条腎泌尿器科病院
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透析を受けられる患者さまへ

人工透析(血液透析)を受けられる患者さまは週に2〜3回、1回につき4〜5時間ほどの時間を、透析を受けるために病院で過ごすことになります。当病院ではその時間を、少しでも有意義に過ごしていただけるよう空間づくりに努めています。入院の必要のない患者さまにおいては、透析を受ける以外の生活は一般の方と同様、ご家庭で自己管理をしていただかなくてはなりません。当病院ではご家庭での自己管理方法や指導なども行いますので、ご安心してお気軽にご相談下さい。

血液透析とは

体内で人工腎臓(ダイアライザー)を使って血液中に溜まった老廃物を取り除き、水や電解質のバランスを整え、きれいになった血液をふたたび体に戻すことを言います。

透析に要する時間は1回4〜5時間、週3回が基本となります。

日常生活について

ドライウェイトを決めます。

ドライウェイトとは体に余分な水分がない状態で、透析後に達成しなくてはならない目標体重のことです。ドライウェイトとは次のような状態のときの体重をいいます。

  1. 顔や手足にむくみがない
  2. 心臓が大きくない
  3. 血圧がほぼ正常である
  4. 体調が良いと感じられる

毎透析終了時には、このドライウェイトの状態になっているのが望ましいです。ドライウェイトは、血圧や毎月の心胸比、心エコー所見をもとに決定します。透析後の全身状態も参考にしますが、食欲や体調によって太ったりやせたりすることもあり、ドライウェイトも定期的な見直しが必要です。

水分管理が大切です。

腎機能が低下すると尿量が減り、体内の水分量はそのまま体重の増減になります。

体に入る水
食物中の水分(1日3食でおよそ1000〜1200ml)、代謝水(食物が体内で燃えたときにできる水・約200〜350ml)、飲み水など
体から出る水
尿・大便、呼吸や汗など

1日の飲み水の調節

1日の体重増加は、1kgを目安としましょう。

水分管理の項目でも触れたように、体に入る水の量と、出る水の量の差が透析間の体重増加となります。おしっこが出る人も出ない人も、体重増加をみながら飲み水の量を調節します。

  • 飲み水は、お茶、水、氷、ジュース、牛乳、コーヒー、酒類などで、うがいも含みます。
  • 病院用湯飲みコップは、約100mlあります。(氷1個...20〜30ml、うがい1回...約10ml)

塩分について

塩分の取りすぎには要注意。

塩分と水分は切っても切れない関係があります。塩分をとりすぎると、のどが渇いて水分が欲しくなります。ですから、塩分の制限が水分の制限にもつながります。また、老廃物(尿毒症性物質)や血糖値の上昇によってものどが渇きます。

カリウムを減らしましょう

カリウム(K)がある程度以上、血液の中にたまると、高カリウム血症となって心臓を止めてしまう危険性があります。

カリウムを多く含む食品
納豆、乳製品、さつまいも・じゃがいも、トマト、バナナ、柿、ほうれん草、コーヒー
カリウムを減らす工夫をしましょう。
野菜やいも類は茹で、生野菜は水にさらしましょう。

たんぱく質について

たんぱく質は自分の体格に合った、"適量"をとることが大切です。

たんぱく質のとりすぎは、尿素窒素(BUN)やリン(P)、カリウム(K)の上昇につながります。逆に不足すると栄養状態が悪くなり、抵抗力が弱くなります。自分の体格に合った適量のたんぱく質をとることが大切です。

リンとカルシウムについて

高リン血症になると石灰化(動脈硬化)を起こします。リンの摂取は控えめに...!

血液のリン値が高くなると、カルシウムと結合して、歯や骨以外の様々な所にハイドロキシアパタイトとして沈着(異所性石灰化)してしまうのです。毎日24時間働いている腎臓の代わりを透析だけで補うのは難しいので、リンの摂取を控えましょう。

リンが多く含まれる食品
タンパク質の多い食品(肉類、魚類など)、カルシウムの多い乳製品(牛乳、チーズなど)や小魚、加工食品(ハム、ベーコンなど)

その他日常生活で気をつけなければならないこと

十分な睡眠、適度な運動、十分な食事、排便習慣、節煙、節酒など